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    (美奈先生のレシピ小説)第31話 縁起食材×エスニック=HAPPY♡

    (美奈先生のレシピ小説)

    美奈先生のレシピ小説31話
    縁起良し!の食材を使ったパーティメニュー!!!
    ゆり根のココナッツローストのレシピ付き。

    (美奈先生のレシピ小説)第31話 縁起食材×エスニック=HAPPY♡
    「例の彼氏をそろそろ紹介したいから、新年のパーティーとかしない?♡」

    梨沙からのlineに、まどかは思わず笑みがこぼれる。

    よかった!今度は順調にいってるのね…

    男運がない、と常日頃から嘆いていた梨沙から、ずっと憧れていたカメラマン良平と付き合うことになった、と聞いたのは、昨年の夏のことだ。 (第27話 失恋は新しい人生のはじまり♡~桃のカッペリーニ)

    その前に付き合いかけた彼(第23話 梨沙のチョコレートレッスン~とろけるフォンダンショコラ♡)とは数ヶ月でフェードアウトしたことを知っていたので、今度はうまくいってるといいな…と、その後が気にはなっていたところだった。

    「ありがとう!いつ紹介してくれるのかと思ってたのよ。
    祐輔君も最近はずっとこっちに来てるし、良かったらうちでパーティーやらない?
    私、梨沙ちゃんのお祝いにご招待したい!」

    マンションの隣の部屋に住むまどかの彼は、梨沙の弟の祐輔だ
    。 ひそかに姉の心配をしていた祐輔も、ホッとすることだろう。

    「え、祐輔も?!…まいっか。
    まどかちゃんがご招待してくれるの?嬉しいな。
    そしたら、二人で伺うね♡
    飲み物とデザートは持参させてね!」

    「楽しみにお待ちしてます♡
    あ、何が食べたい?」

    「う~ん。まどかちゃん得意なエスニックがいいかな♡」

    「了解!」

    幸せな気持ちで返信すると、まどかはうきうきしながら、メニューを考える。
    せっかくだから、お祝いの気持ちが伝わるお料理を作りたいな。
    新年会だし、縁起の良い食材をエスニック風にアレンジしてみるのも面白そうだ。
    フードコーディネーターの梨沙なら、きっとすぐわかるにちがいない。

    まずはワインのアテに…1年元気に過ごせるとされる黒豆をひよこ豆の代わりに使って、中東のひよこ豆とタヒニ(白胡麻ペースト)を使ったフムスあたりをスターターにはじめようかな。
    クミンとガーリックをきかせてワインがすすむ味にしよう。

    ナンプラーやイートチリソースでエスニック風味にした紅白なますもいいな。
    パクチーを飾って華やかに。

    おせちに必ず使われる縁起食材、海老と蓮根は、合わせてアヒージョにしよう。
    梨沙ちゃん、ほくほくした食感が好きだから蓮根大好物って言ってたもんね。
    色が地味だから、プチトマトも入れよう。
    蓮根と海老とトマトの旨味がしみたオイルは、美味しいに決まってる。
    よーし、久しぶりにパンも焼くか。

    メインはどうしよう。
    この日も寒そうだから、身体が温まるお料理がいいな。
    出世魚の鰤を使ったベトナム風煮込みはどうだろう。

    魚と細切りの豚肉をナンプラーやお砂糖、ココナッツジュースと一緒に土鍋で煮込む、寒い時には最高のボリューミーなベトナム料理だ。
    ごはんにかけても美味しい甘辛い味で、男性にもウケが良い。

    豊かな生活や金運を呼び込むとされる金柑は、箸休めにスパイスをきかせた甘さ控えめのシロップ煮にして…

    考えていると、だんだん楽しくなってきた。

    あとは…いつも使っている材料じゃないもの、何かないかな…
    そうだ、旬のゆり根はどうだろう。

    重なり合った麟弁から「歳を重ねる」「和合(仲が良い)」に通じると、吉祥の象徴とされ、おせちにもよく使われる、ゆり根。
    これもほくほく系だから、梨沙の好みなはずだ。

    通常は一片ずつはがして茹でることが多いゆり根だが、今回はこの縁起よい重なり合った麟弁を活かし、美しい造形のまま、丸ごと調理して映えさせたい。

    ほっくりした食材にはココナッツ風味がよく合うから、ココナッツオイルを使おう。

    ゆり根の表面にココナッツオイルを塗り、カルディのフレーバー塩、ライム胡椒塩をふって、オーブンでローストして、ライム果汁を絞る。
    それだけでも十分に美味しいが、ゴージャス感を出したいな。
    そうだ、お年賀にいただいた、とっておきの生キャビアをのせちゃえ。

    何しろ高級品なので一人ではとても開けられず、良平と今度会うときにシャンパンと一緒に…と、大事に取っておいたものだが、「雪どけ」という名のとろけるようなフレッシュキャビアは、ずっと片思いしていた梨沙の恋が実ったお祝いに、いかにもふさわしい。
    ここはお祝いの気持ちを込めて、奮発しよう!

    メニューが決まり、まどかはすでに梨沙の幸せそうな笑顔を想像して、ワクワクしていた。


    …そして当日。

    いかにも爽やかで人の好さそうな良平を伴って現れた梨沙は、

    「えへ。こちらが良平さん。料理のカメラマンをしていて、お仕事でもお世話になってる方よ。
    良平さん、お友達のまどかちゃんと、その彼。えーと、一応私の弟ね」

    照れくさそうな笑い方が、姉弟そっくりである。

    「まどかです。はじめまして!」

    「祐輔です。えーと、不肖の姉がお世話になっていて…なんか、ありがとうございます。」

    梨沙が祐輔を軽くにらむ。

    「なんなのよ、その挨拶!」

    「ははは、良平です。お姉さんにはこちらこそお世話になってます。まどかさんもよろしくね。」

    笑いながら良平も頭を下げ、新年会は和やかに始まった。

    「わ~シャンパーニュにピノだ!
    このガレットデロワは、まさか手作り?!」

    デザートにと梨沙が手渡した、新年をお祝いするフランスンの焼き菓子、ガレットデロワを見て、まどかは目を丸くする。

    「えへ。レイエ(表面の模様)があまり綺麗にできなかったけど、頑張ってみたわ。」

    「めちゃめちゃキレイじゃない!お店で買ったみたいよ。さすがね。
    お料理だけでなく、お菓子までこんなにレベルが高いなんて、尊敬しちゃう!
    今日はプロ二人に拙い素人料理でお恥ずかしいけど、楽しんでいってね。」

    「ありがとう!」

    男二人はどちらも人懐こい性格なので、あっという間に打ち解ける。

    「これは黒豆だけどフムスよね?美味しいなあ」

    「うん、どれも本当に美味しい。まどかちゃん、お店開けるよ!」

    料理を絶賛する梨沙と良平に、シャンパーニュ1杯で真っ赤な顔になった祐輔が

    「今日はまどかが、お祝いの気持ちをこめたいから全部自分で作るって言って、張り切ってひとりで作ってくれたんですよ。」

    と言うと、梨沙が

    「祐輔の雑な料理なんて、料理男子の良平さんには食べさせられないわよ」

    とすかさず言い返す。

    まどかが、

    「そんなことないのよ。祐輔、料理上手よ。
    最近仕事で疲れていたから、今日は私一人でやっちゃったけど、次はぜひ食べてほしいわ。
    手打ちパスタも上手だし、私の誕生日にはラムチャップのブルーチーズソースとか作ってくれたのよ。」

    とかばうと、梨沙がニヤニヤしながら

    「まどかちゃん、その時って、無花果のサラダとか魚介のマリネもなかった?」

    「え?何で知ってるの?!」

    驚くまどかに、

    「ちょっ姉貴!」

    と祐輔が大慌てで姉の言葉を遮る。

    まどかの誕生日ディナーの手作りイタリアンのメニューに悩んでいたとき、姉に相談してメニューを決めたことを、まどかには言っていなかったのだ。(第10話 オトコ勝負料理、イタリアン!)

    「会社の先輩にごちそうするって言ってたけど…あれぇ?二人は同じ会社だったっけ?」

    すでにかなり酔っ払い、調子に乗ってからかう梨沙に、

    「いい加減にしろよ、姉貴!
    超久しぶりに彼氏ができたからって、浮かれすぎだよ!」

    「なんですって!超久しぶりって、いったい何を根拠に…」

    あやうく姉弟喧嘩が本格的に勃発しそうだったので、まどかは慌ててさえぎる。

    「梨沙ちゃんが考えてくれたのね!
    祐輔がわざわざ相談してくれるほど真剣にメニューを考えてくれていたなんて、すごい嬉しい! アドバイスありがとうね、梨沙ちゃん。」

    まどかの気遣いに、梨沙もハッと我にかえり、

    「ごめん…こんなところで姉弟喧嘩なんかして。
    祐輔もごめんね、まどかちゃんにバラしちゃって…。
    たしかにあたし、浮かれちゃってたかもね。」

    と、ペロリと舌を出して、素直にあやまる。

    「まあ、こんなナイスガイなカメラマンが彼になってくれたんだから、浮かれても仕方ないよなー。 俺も言い過ぎたよ、ごめん。
    良平さん、こんな姉だけど、根はマジいいやつなんで、よろしくお願いします。」

    良平も、ペコっと頭を下げる。

    そんな二人を見てホッとしたまどかは、

    「あ、じゃあそろそろ次出すね。ちょうどオーブンが終わったみたい」

    と、キッチンへ向かう。

    あ~びっくりした!
    姉弟ってあんな感じなんだ~。おもしろいな。

    「…はい、どうぞ!」

    「え、これ、本物のキャビア?!すごい!
    下は…ゆり根だ!大好物よ。今日は全部縁起ものなのね…ありがとう。」

    「え、全部縁起ものだったの?」

    と、声を合わせて驚く良平と祐輔に

    「そうよ。
    まどかちゃん、お祝いの気持ちをこめて、縁起良い食材ばかり使ってくれたんでしょ?」

    「わかってもらえて、嬉しいな。」

    まどかは、こだわって作った甲斐があったな、と温かな気持ちになる。

    「良平さん、十分お分かりとは思いますが、まどかちゃんは祐輔の言うように本当にいい子で、一生付き合っていきたい私の大切なお友達です。
    これからもどうぞよろしくお願いします。」

    「いや~そんな、こちらこそ!
    しかし、全部縁起ものとは。言われてみれば、そうだね。
    そこまで考えてくれたなんて、感激だよ。ありがとう!
    こんないい友達や弟さんがいるだけでも、梨沙がいかにいい子か、よくわかるよ。
    二人とも、これからもよろしくお願いします。
    …あれ、梨沙?」

    「え、祐輔?!」

    姉は弟よりはるかにお酒は強いといえ、限界以上に飲むと寝てしまうことがあるのは、似ているようだ。 幸せそうな寝顔で舟をこいでいる二人を見て、まどかと良平は思わず顔を合わせて微笑み合う。

    良平さんが素敵な人で良かった。
    2人が末永く仲良くいられるといいな…そして、私たちも。

    気持ちよさそうに寝ている姉弟を起こさぬよう、良平に目配せして、軽やかな足取りでそっとブランケットを取りに行くまどかなのだった。


    ●ゆり根のココナッツロースト
    《材料・4人分》
    ゆり根2個、ココナッツオイル大さじ1、ライム胡椒塩(なければ塩・胡椒)適量、ベビーリーフ・プチトマト・ライムの串切り・キャビア各適宜

    《作り方》
    ① ゆり根はおがくずを綺麗に洗い落とし、汚れがあったら包丁で削り取る。
    ② ゆり根の表面にココナッツオイルをハケでむらなく塗り、ライム胡椒塩をふる。
    ③ オーブンペーパーでキャンディ包みにし、200度温めたオーブンで、①のゆり根を30分焼く。
    ④ 皿に盛り、ベビーリーフとプチトマト、ライムを添える。
    ※お好みでキャビアを添えると豪華になる。



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