(美奈先生のレシピ小説)第19話 玉ねぎ麹きのこで茶碗蒸し~美菜子、麹に目覚める!
(美奈先生のレシピ小説)
美奈先生のレシピ小説19話!
読むだけでお料理上手な気分になれるかも〜♬
久しぶりの美菜子登場٩(ˊᗜˋ*)و
休憩室でお弁当箱を開けると、前方からまどかの感心したような声が聞こえてきた。
「あなたたちも、今日はお弁当?」
「はい、お給料日前なので。…ここ、いいですか?」
美菜子が遠慮がちに、アクリル越しの向かいの席を指して尋ねる。
ちょうどピークタイムの休憩室は他に二人座れる席もなく、紗智子は
「もちろんよ、どうぞ。」
と、にっこり笑う。
再び食べ始めると、まどかがさらに、アクリル越しに身を乗り出し、
「課長のきのこの卵焼き、ふっくらして美味しそうですね。
朝からきのこを入れた卵焼き作るなんて、尊敬します!
私なんてバタバタで、残り物つめる時間しかないのに。」
卵焼きをガン見しながら呟くまどかに思わず、
「卵焼きは、作り置きしてた玉ねぎ麹きのこを、溶き卵に入れて焼いただけだから、全然手間はかかってないのよ」
と答える。
「玉ねぎ麹きのこ?!」
まどかと美菜子が同時に叫び、紗智子は赤くなる。
「そもそも、玉ねぎ麹ってなんですか?塩麹の仲間とかですか?」
「そうよ。塩麹を作る時の水の代わりに、おろした玉ねぎを入れるだけで、簡単にできるわよ。」
紗智子にとって玉ねぎ麹は、塩や醤油同様、毎日の料理作りに欠かせない調味料だ。(第14話 玉ねぎ麹祭りでおもてなし)
「玉ねぎ麹きのこは、玉ねぎ麹をきのこと和えるだけで作れるんだけど、常備菜にもなって便利よ。」
「そうなんですね!」
二人の部下の興味津々の表情を見ながら、気のいい紗智子は
「あとでレシピを送るわ。」
と、笑いながら言って、一気にお茶を飲み干す。
貴重なランチタイム、上司と一緒だと、ゆっくりおしゃべりもできないだろうから、早めに終わらせようと思ったのだ。
紗智子が席を立った後、二人は自販のコーヒーを飲みながら、食後のひとときを楽しむ。
「山下課長って、仕事は厳しいけど、親切な人よね~」
「まどか先輩が課長のお弁当のぞきこむから、ハラハラしましたよ…」
「え、覗き込んでた?美味しそうなものがあると、つい顔近づけちゃうのよね…」
「玉ねぎ麹きのこ、面白そうですね。
私、塩麹以前1回失敗してから、そういうの作ったことなくて。」
「あ、課長からもうラインがきたよ!さすが仕事早いわね~。
なになに、麹と玉ねぎと塩と、、、本当にそれだけ混ぜればいいんだ!
注意事項まで丁寧に書いてくれてる!」
「私にも、メッセージきてる。この通りに作れば、失敗しなさそうね。
私、きのこ大好きだから作ってみようかな」
玉ねぎ麹きのこを作るには、まずこの玉ねぎ麹を作らなきゃいけないのね。」
「美菜ちゃんは、オシャレな料理に変身させそうね!」
美菜子は赤くなって
「まどか先輩みたいに料理上手じゃないから。
でも、麹は以前から興味があったし、せっかく課長が教えてくださったので、作ってみます」
「質問があれば、遠慮なく聞いて」という紗智子のメッセージに、
塩麹で失敗したことのある美菜子は、紗智子にそのことを返信して、
発酵させすぎた過発酵状態が原因だったとわかった。
前に作った時には、お酒くさくなってしまい、どうにも使えなかったのだ。
「これからの季節は涼しいから、出来上がるのも時間かかるけど、失敗も少ないと思うわ」
という紗智子のアドバイスに勇気づけられ、早速仕込み、毎日混ぜること2週間。
紗智子の言う通り、3,4日で甘い香りがしてきて、徐々に色も茶色くなってきた。
が、初めてなので、正解がよくわからない。
「これって、もうできてるのかしら?」
折よく紗智子から
「どう?玉ねぎ麹は順調?」
と声をかけられたので
「それが、完成がわからなくて。
出来てるような気もするんですけど、麹の粒がまだ少し硬いような」
「持ってきたら、見てあげるわよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
早速タッパーに入れて会社に持っていき、紗智子に見せると
「できてるわよ。大丈夫。
これをバーミックスかミキサーで攪拌したら完成よ。
すぐに冷蔵庫にしまってね。
玉ねぎ麹きのこは、攪拌した玉ねぎ麹をきのこに混ぜるだけだから、今夜にでもできるわよ。
一晩おいた方が美味しいから、食べるのは明日のお楽しみね」
「ありがとうございます!楽しみです。」
大切そうに玉ねぎ麹を抱えて、冷蔵庫のある休憩室へ向かう美菜子に、
「仕事真面目にやる子は、すべてにおいて真面目ね。」
と、妙に感心するのだった。
さて、夜。
早速玉ねぎ麹きのこを作った美菜子は、一口味見してみる。
「わ~美味しい!本当にこれだけでおかずだわ。しかも日持ちするなんて、嬉しい。
明日はもっと美味しくなるって言ってたけど、今日使ってみたいな。
今夜は簡単に残り物でピラフでもって思ってたけど、久しぶりに和食にしようかな。」
冷蔵庫をのぞき、在庫を確認する。
えーと、卵とかにかまか・・・茶碗蒸しが作れそう!
卵を溶き、だし替わりの玉ねぎ麹と水を入れれば卵液の完成。
具材は玉ねぎ麹きのことかにかま。
軽くラップをして、楊枝で空気を抜き、レンジで温める。
三つ葉がないので、サラダの残りのブロッコリースプラウトを散らすと、思いがけず可愛らしく仕上がった。
「予想以上に美味しいわ!週末、耕太にも作ってあげよう。
その前に明日、山下課長に報告してお礼言わなきゃ。」
ぷるんと揺れる茶碗蒸しを愛しそうに眺め、新しい食の扉を開けてくれた紗智子に
感謝する美菜子なのだった。
●玉ねぎ麹きのこの茶碗蒸し
【材料・2人分】
卵1個、水150cc、玉ねぎ麹大さじ1,玉ねぎ麹きのこ120g、かにかま20g、ブロッコリースプラウト少々
【作り方】
① ボウルに卵を溶きほぐし、水と玉ねぎ麹を加えて混ぜる。
② 器に玉ねぎ麹きのこを40gずつ入れる。
③ 茶こしで濾しながら、①の卵液を7分目まで注ぐ。
④ 上から玉ねぎ麹きのこ20gずつ、かにかま10gずつのせる。
⑤ ラップをふわっとして竹串で数か所穴をあけ、200wのレンジで7分温める。
⑥ 揺らしてから場所を変えて、2,3回様子を見ながら5~6分温める。
⑦ 固まったらラップをはずし、スプラウトをのせる。
●玉ねぎ麹きのこ
【作りやすい量】
きのこ(お好きなもの2~4種)200g、玉ねぎ麹大さじ2
【作り方】
① きのこは石づきを取って食べやすく手でちぎる。
② 耐熱容器に入れ、レンジ600wで2、3分加熱する。
③ 熱いうちに玉ねぎ麹で和える。
④ 粗熱が取れたら冷蔵庫で1晩冷やす。
●玉ねぎ麹
【材料(作りやすい分量)】
おろし玉ねぎ300g、米麹100g、塩30g
① タッパーなどに米麹をバラバラにして塩と混ぜ、おろし玉ねぎも加え混ぜる。
② 常温で1日1回混ぜ、1週間前後で麹が柔らかくなったら、バーミックスなどで攪拌して冷蔵庫で保存。(夏は4,5日、冬は10日が目安)
★YouTube動画
噂の「玉ねぎ麹きのこ」で作る!~絶対失敗しない【レンジで絶品茶碗蒸し】はコチラ
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第1話〜第10話の登場人物はコチラ
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