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  • > (美奈先生のレシピ小説)第6話 パスタを入れたら…旨味も恋も濃くなる?!(美奈先生のレシピ小説)

    (美奈先生のレシピ小説)第6話 パスタを入れたら…旨味も恋も濃くなる?!

    (美奈先生のレシピ小説)

    美奈先生のレシピ小説第6話!!!読むだけでお料理上手な気分になれるかも〜♬

    (美奈先生のレシピ小説)第6話 パスタを入れたら…旨味も恋も濃くなる?!
    「ん?」「あれ??」

    メインのアクアパッツアの立派な鯛を一口食べた二人が、同時につぶやいて顔を見あわせる。
    耕太が小声で

    「これ、ちょっと塩っぱくない?。パンと一緒に食えば、まあアレだけど」

    同じことを思っていた美菜子が

    「…そうね。他のお料理はちょうどいい塩加減だったのにね。味は美味しいんだけど…」

    と控えめにうなずく。
    パンと一緒に食べてワインを流し込めば、許容範囲といえるが、他が素晴らしい塩梅だっただけに、やや残念である。

    「ここに細めのパスタとかいれたら、ちょうどいいかもね」

    何気なくつぶやいた美菜子に

    「さすが!それ絶対うまいよ。入れてもらおうぜ!」

    と、早速スタッフを呼びそうな勢いの耕太にあわてて

    「お店混んでるし、今日はやめとこうよ。」

    「えー?!せっかくうまそうなアイディアなのになあ。
    魚介のスープにパスタ、いいじゃん!」

    すっかり乗り気の耕太だが、美菜子は気がすすまない。
    カジュアルな雰囲気のトラットリアなので、頼めば気楽に作ってくれそうだが、
    今日はホールの人数が足りないようでバタバタしていて、常連でもないのにイレギュラーなオーダーはしにくい雰囲気があった。

    「今度私が作るから、今日は我慢して?」

    「えーまじ!?ラッキー!!最初は普通に食ってさ。〆にパスタ入れようぜ!美菜子の料理プロ並だから楽しみ!」

    あっさり諦めて嬉しげに笑う耕太に、
    全く、褒め上手なんだから…と、苦笑しながらも嬉しい美菜子だった。

    簡単に言ったもの、実は美菜子はアクアパッツアを作ったことはない。
    一尾魚を煮込むとなると、1人暮らしではハードルが高いし、目利きも自信がない。
    イタリアンが得意な、会社の先輩のまどかに相談してみると、

    「本格的に作らなくてもいいんじゃない?一尾魚は、骨が邪魔で食べにくいし、取り分けにくいし、高いじゃない。
    要は、魚介をトマトとオリーブとかと一緒に煮込んだナポリ料理なんだから、切り身魚で充分よ。」

    「切り身魚…」

    「そう。スーパーで売ってるタラなんかでいいんじゃない?」

    「わー!タラの切り身でいいなら、いっきにハードル下がりました。副菜はどうしようかな。メインが魚だから、魚介のマリネとかだとかぶるし」

    「じゃあ生ハムのサラダとかは?

    あと、よくお店ででてくるあれ!中から生クリームがでてくるモッツアレラ、ブッラータ。あれとか果物と和えてオリーブオイルに塩胡椒するだけで、映えるわよ!」

    「ブッラータって、巾着の形の可愛いチーズですよね!
    確かにいいかも。でも、この辺で売ってます?」

    「うーん、イタリア食材のお店とかチーズ専門店は、この近くにはないわね。でも、カルデイで冷凍もあるわよ!」

    「さすが、カルディマニアですね!ありがとうございます」

    ということで、いっきに副菜まで決まってしまった。

    そして、約束の夜。

    アクアパッツア風料理に、〆は細いパスタ。
    パルマ産生ハムとルッコラのサラダに、ブッラータとフルーツトマトのサラダ。

    まどかのいうように、ブッラータは桃や無花果や苺など果物と合わせたいところだが、耕太はフルーツを料理に使うのを好まない。

    「酢豚にパイナップルとか、ポテトサラダにリンゴやレーズンとか、俺ダメなんだよな。果物は果物だけでいいのに、なんでわざわざ料理に入れるのかなあ。」

    なんて、言ってたっけ。
    男の人って、何故この美味しさがわからないんだろう?・・ぶつぶつ言いながらも、準備をすすめる。

    ブッラータはガラスの器の中央にのせ、周りに串切りにしたフルーツトマトとミント。ハーブソルトと黒胡椒をふり、お気に入りのベルガモットオイルをかけるだけで可愛らしく完成だ。

    アクアパッツア風タラのソテーは、タラをフライパンで焼いて、あさりとケッパー、オリーブ、缶のトマトを加え、白ワインをふって、3,4分蒸し煮。
    最後にバジルの葉を入れ、オリーブオイルを加えてさっと混ぜれば完成。
    あさりのだしが出て素晴らしく美味しいソースに仕上がっている。
    後で半分にカットしたカッペリーニをいれるのを想定して、ソースは多めにしてある。

    「ただいま~。なんちゃって」

    ワインをかかげながら、おどけて耕太が入ってくる。

    「試飲したらすげーうまいピノグリがあったから、買ったよ!美菜子の好きなビオディナミ」

    「わ~!ありがとう!もう用意できてるわよ。パスタ用のスープは別にとってあるから、全部食べても大丈夫よ。」


    「うまいー!ほんとうまいよ。最高だね!このスープ、お代わりしたいよ!
    ここにパスタ入れるって考えただけでよだれ出るよ!
    サラダもどっちもうまいし、見た目からしてお店並じゃん?店だせるよ!」

    「耕太、褒めすぎ!お店の人に怒られちゃうよ。」

    「これからもずっと美菜子の料理が食えたら幸せだろうな。」

    え、それって…?

    そろそろスープを温めに行こうと立ち上がった美菜子は、思わず振り返るが、まだ聞き返す勇気がない。

    問いかけるような美菜子の瞳には、優しい耕太の笑顔が揺れているのだった。



    アクアパッツア風タラのソテー

    《材料・2人分》
    白身魚の切り身2切れ、あさり250g、ホールトマト1/2缶、ケッパー大さじ2、オリーブ5,6粒、白ワイン1/2カップ、塩・こしょう各適宜、オリーブ油大さじ1/2、バジルなどハーブの葉適宜、E.V.オリーブ油大さじ1/2

    《作り方》
    ①あさりは塩水に漬けて砂出ししておく。
    ②フライパンにオリーブ油を熱して魚を入れ、焼き色がついたら裏返してあさりを加える。
    ③②にケッパーとオリーブを振り入れ、ホールトマトを加える。
    ④③に白ワインを振りいれ、強火でアルコール分を飛ばし、火を弱めて蓋をして3~4分 蒸し煮にする。
    ⑤塩・こしょうで調味し、ハーブの葉を加え、E.V.オリーブ油を回しかけて、さっと混ぜる。



    澤田美奈講師のお料理教室 美奈のおしゃデリ・クッキング
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    おいしい酢研究会所属 記事・レシピを更新しています
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