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    (美奈先生のレシピ小説)第27話 失恋は新しい人生のはじまり♡~桃のカッペリーニ  

    (美奈先生のレシピ小説)

    美奈先生のレシピ小説27話
    今回は良平と梨沙のお話再び( ⸝⸝•ᴗ•⸝⸝ )え!!そうくる!?
    レシピは桃のカッペリーニ♡
    読むだけでお料理上手な気分になれるかも〜♬

    (美奈先生のレシピ小説)第27話 失恋は新しい人生のはじまり♡~桃のカッペリーニ  
    「ごめんね。良平といるの楽しかったんだけど、他に好きな人ができちゃったから,
    もう会えない。私の荷物は適当に処分してね。元気でね!チャオ!」

    仕事中にきていたLineを、撮影終了後に何気なく開いた良平は、呆然とした。

    なんだ、この軽いタッチの別れのメッセージは…冗談なのか?
    1年ちょっと付き合い、そろそろプロポーズも真剣に考えていた良平は、沙羅からの一方的なメッセージを二度読みした後、力が抜けて思わず近くの椅子に座り込んだ。

    俺は本当に鈍感だな。
    土日はいつも一緒で、なんなら半同棲状態だった(16話 冷製と情熱のランチ~アボカドとブルーチーズの冷たいパスタ
    )沙羅の気持ちの変化に、全然気が付かなかったなあ…

    こんなlineをもらっても、嫌いにはなれない。
    が、きっと何を言っても沙羅の気が変わることはないことは、直観的に感じていた。

    ふわふわと自由奔放に生きているような娘だが、一度決めたことは決して曲げない性格ということは、これまでの付き合いでわかっていた。

    「どうしたのよ良平君、沈痛な顔して。彼女からの別れのline?」

    機材をしまいかけたまま動かなくなった良平に、美緒が冗談ぽく聞く。

    「え、なんでわかったんですか?!」

    びっくりした良平が思わず聞き返すと、今度は美緒が驚いて

    「え?本当だったの?!」と、目を丸くする。

    リースしてきた食器をプチプチシートに包んでいた梨沙も、ハッとして顔を上げる。

    「はい。どうも、ふられたらしいっす。
    今日からまた、完全な一人暮らしかー…」

    良平が苦笑いしてため息をつくと、美緒がすかさず

    「じゃあ、今夜は良平君ちで、失恋パーティーしましょうよ。この3人で!」

    「え、美緒さん。それはいくらなんでも…」

    良平の気持ちを慮って慌てて止める梨沙に頓着せず、

    「今日は彼女の匂いの残ってる部屋で、一人で過ごすのはつらいでしょ?
    楽しく飲んで、過去はさっさと忘れましょう!」

    と、あでやかに微笑む。

    「美緒さんにはまいったな。
    まあでも確かに、今夜は一人で居たくない気もするから、いいですよ。散らかってますけど。」

    やけっぱちで放った良平のひとことで、急遽仕事帰りに、美緒と梨沙で良平宅襲撃が決定した。

    梨沙の内心は複雑だった。
    ひそかに長年片思いしていた良平だったが、彼女がいるとわかって潔く身を引き、美緒から紹介を受けた隆司と2度ほどデートしてみた。

    出会いはいい感じだったのだが(第23話 梨沙のチョコレートレッスン~とろけるフォンダンショコラ♡
    )、二人で外で会っても、いまひとつ気持ちが燃え上がらない。

    一緒にいると楽だし楽しいのだが、おない年でもちょっと幼いところのある隆司は、話をしていると弟の祐輔と重なってしまい、彼氏としては微妙に物足りなさを感じるのだ。
    そしてきっぱり諦めたはずなのに、ふとした瞬間、仕事をしているときの良平の頼りになる横顔が思い出され、そんな自分に戸惑う梨沙なのだった。

    隆司も感じるものがあったようで、最近お互い連絡が途絶え、早くもフェードアウトしつつあった。

    おそらく、敏感な美緒はそんな状況を薄々感じての、今回の提案なのだろう。

    「今日の撮影で使わなかった食材も結構あるから、良平君はこれ持って先に帰って、余裕あったら何か作って待っててよ。
    あなた、料理が趣味なんでしょ?
    私たちはお酒とつまみ適当に買ってから、追いかけるわ。
    住所を、グループlineに送っておいてね。
    梨沙ちゃん、食器はもうすぐ赤帽さんが引き取りにくるわよね?」

    「はい。連絡済みなので、あと5分くらいで。あ、急いでしまわなきゃ!」

    美緒がちゃきちゃきと段取ったおかげで、30分後には、二人は会社近くのスーパーで買い物を済ませていた。

    「良平君のマンション、ここから車でも15分くらいで着くらしいから、タクシーで行きましょう」

    「あのー、美緒さん。私実は、あれから隆司君とは…」

    「わかってるわよ、なんとなく。
    甥っ子だからって、私に気を使わないでね。
    紹介はしたけど、もしかして梨沙ちゃんの彼氏には役不足かもって気もしてたの。
    ただ悪い子じゃないから、これからはもしよければ、同世代の友達として仲良くしてあげてね。」

    「はい。本当にいい方なので。
    都合いいですけど、友達として仲良くしていただければ、私も嬉しいです。
    あ、もちろん隆司君に彼女ができるまでの話ですが…」

    美緒はにっこり笑って、梨沙の背中をたたき、タクシーへと促す。

    「…梨沙ちゃん、本当はまだ良平君のこと、忘れてないんじゃない?」

    「…はい。ごめんなさい。」

    申し訳なさそうにうつむく梨沙に、

    「謝ることないわよ。そうとわかったら、今日はとことん協力するわよ!
    良平君、彼女がいたから梨沙ちゃんのこと、そういう目で見ていなかったと思うけど、好意持っているのは間違いないから。
    …弱っている今がチャンスよ!」

    「美緒さん、今悪い顔してますよ…」

    「あ、運転手さん、ここでお願いします。
    …やっぱり、売れっ子カメラマンはいいところに住んでるわねえ」

    2人がチャイムを鳴らすと、良平はちょっと照れ臭そうな表情でドアを開けた。

    「どうぞ。美緒さん持たせてくれた食材とうちにあったもので、簡単なつまみだけ作っておきましたよ。
    俺を慰める会と言っておきながら、食のプロとめちゃめちゃ舌の肥えた女性二人に料理作らせるなんて、美緒さんもスパルタだよなあ。」

    と失笑するが、どこか楽しそうである。

    「好きなことやっている方が、気がまぎれるでしょ。
    あら、さすが評判通りの料理男子ね。美味しそうじゃない。

    あと残っている食材は、飾りに使ったバジルにミント、中途半端な量の紫玉ねぎね…。
    あ、今日編集部から差し入れでもらった桃もあるわね。
    梨沙ちゃん、これでサラダかなんか、もう1品できそう?」

    「はい!任せてください。そしたら、冷たい桃のパスタを作ろうかな。
    皆さん、お腹すいてるでしょ?」

    「わ~。嬉しいわ!」

    梨沙は、さっきまで着けていたエプロンを、笑顔でまたバッグから取り出す。

    「良平さん、キッチンお借りしていいですか?」

    「どうぞどうぞ。適当にやって。
    冷蔵庫に使えそうなものあったら、なんでも使っていいからね。
    あ、冷たいパスタ作るなら、カッペリーニもあるよ。
    俺にも手伝えることあったら、言ってね。」

    「そしたら、お鍋と大きなボウルとザルと、ブレンダーあったら出しておいてください。」

    良平さんのキッチンに、二人で立つ日がくるなんて…
    梨沙は信じられないような気持で、エプロンをつける。

    「冷蔵庫開けますね。あ、レモンとミニトマトもある!
    良平さん、紫玉ねぎを粗みじんに、ミニトマトを半分に切ってもらっていいですか?」

    梨沙は、良平が出してきた鍋に湯を沸かしながら、桃の皮を手早くむいて、綺麗に剥けた半分をくし切りにして、レモン汁と塩胡椒をふる。

    残りの半分には、良平がカットしたミニトマトと紫玉ねぎを加え、レモン汁やはちみつ、オリーブオイルをあわせてブレンダーで攪拌。塩胡椒で味を調え、ソースにする。
    紫玉ねぎとミニトマトを加えることで、味が調うだけでなく色も綺麗な桃色に仕上がるのだ。

    出来上がったソースと串切りにした桃を、冷蔵庫に入れようとした梨沙に

    「あ、急冷したいなら、こっちに入れていいよ。」

    と良平が、冷凍庫を開ける。
    思わず腕がぶつかりそうになり、梨沙は赤くなって慌てて手を引いた。

    「ごめんごめん。びっくりさせたね。」

    良平は優しく笑いながら、ソースと桃を受け取り、冷凍庫に入れる。

    「あ、お湯が沸騰してるわ!」

    逃げるようにガス台へ向かう梨沙と、そんな梨沙を温かいまなざしで見守る良平を、交互に見た美緒は、

    あら、いい感じじゃない。良平君もまんざらじゃないみたいね…
    と、買ってきたチーズやナッツを皿に盛りながら、微笑む。

    梨沙は急いで気持ちを切り替え、塩を多めに加えた鍋にカッペリーニを入れると、表示の倍時間タイマーをセットした。
    冷たいパスタは長めに茹でて、しっかり下味もきかせるのが美味しさのポイントなのだ。

    「良平さん、ボウルに氷水とざるを用意してもらっていいですか?」

    「はいよ!」

    茹で上がった麺を氷水で素早く冷やし、大きなざるを華奢な腕に抱え、水を切ろうとする梨沙からざるを取り上げ、

    「梨沙ちゃん、貸して。俺がやるよ」

    と、良平は力強く器用に、水をきる。

    「あ、ありがとうございます…」

    冷凍庫のソースをボウルに移し、水をきったパスタを入れ、ちぎったバジルとミントを加えたらほぼ完成だ。

    皿に盛り付け、冷やしておいた桃を飾り、オリーブオイルを回しかける。

    「できました!」

    「すごいわ。10分かかってないじゃない。
    料理をやらせても、このコンビは早いのねぇ。」

    「あ、美緒さん、ずるい。
    俺たちに働かせて、もう一人で飲んでる…」

    いつの間にか優雅にワイングラスを傾けている美緒に、良平が呆れた顔でつぶやく。

    「早くはじめましょ!お腹すいちゃったわ。
    梨沙ちゃんありがとうね。
    じゃあ、良平君の新しい人生にかんぱーい!」

    「…桃パスタ、うまい!さすがだね。」

    「あ、美緒さんが買ってくださったこのピスタチオを散らしたら、きっともっと美味しくなりますよ。 私、ピスタチオ刻んできますね!」

    座ったと思ったら、目を輝かせて早々に立ち上がる梨沙に、良平は笑いながら、

    「十分美味しいから大丈夫。もう座って寛いでよ。
    梨沙ちゃんは本当に料理が好きなんだね。
    手早いし、美味しいし、気が利くし。次はこんなできた彼女を探すかなー。」

    「梨沙ちゃんに彼女になってもらえばいいじゃないの」

    「美緒さん!こんなおっさん相手に失礼ですよ。」

    「そうかしら。お似合いだと思うけど。
    梨沙ちゃんは同姓から見ても、本当に裏表ないいい性格で素敵な女性よ。私のお墨付き。」

    「そ、そりゃわかってますが…。梨沙ちゃんも困ってるじゃないですか!」

    酔ったふりをして暴走する美緒に、良平は苦笑いする。

    「二人ともフリーなんだし、こんなに気も合ってるんだから、とりあえず付き合ってみれば?
    失恋を忘れるには、新しい恋よ。
    梨沙ちゃんも、良平君嫌いじゃないでしょ?」

    珍しく赤くなっている良平をちらっと横目でみて、梨沙はぐっとワインを飲み干す。

    弱っているときがチャンス…

    美緒の言葉が、頭に蘇る。

    弱みにつけこむようで心苦しいけど…ここまで美緒が協力してくれているのだ。
    酔った勢いで、思いきって告白してしまおうか…

    2人の視線を感じながら、瑞々しい桃を悩ましく見つめ続ける梨沙なのだった。


    ●桃とハーブのカッペリーニ
    【材料・2~3人分】
    カッペリーニ150g、桃大1個(正味200g)、A{レモン汁・塩胡椒各少々}、ミニトマト5個(100g)、紫玉ねぎ20g、B{はちみつ・塩・レモン汁各大さじ1/2、胡椒少々、オリーブオイル大さじ2}、バジル・ミント各1/2袋、塩胡椒・仕上げのオリーブオイル各適宜

    【作り方】
    ① 桃は皮をむいて半分はくし切りにしてAでマリネして冷やしておく。
    ② 残りの半分は大まかにカットし、刻んだミニトマトと紫玉ねぎと合わせてBでマリネする。ブレンダーで攪拌して、塩胡椒で味を調え、冷やしておく。
    ③ 塩を多めに加えた湯で表示の倍時間カッペリーニを茹でて、氷水でしめる。
    ④ ザルでしっかり水気をきったカッペリーニをソースのボウルに加え、ちぎったバジル・ミントを加えて和える。
    ⑤ ④を皿に盛り、①の桃を飾り、オリーブオイルを回しかける。


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