(美奈先生のレシピ小説)16話 冷製と情熱のランチ~アボカドとブルーチーズの冷たいパスタ
(美奈のレシピ小説)
美奈先生のレシピ小説16話!
読むだけでお料理上手な気分になれるかも〜♬
ソファーでNetflixを見ていた沙羅が、甘えた声でおねだりする。
「オッケー!パスタでいい?」
腰の軽い良平はすぐに立ち上がり、キッチンに向かう。
元々料理好きが高じて、料理専門のカメラマンになったのだ。
以前結婚していた時も、妻がバリキャリで帰りが遅かったので、
家事はおのずとフリーランスの良平の役割になっていたが、全く苦にはならなかった。
半年前から付き合っている沙羅も、料理は苦手と公言しているので、
ここでも良平は料理担当だった。
冷蔵庫の野菜室を開けると、大きなアボカドが真っ先に目に飛び込む。
アボカドは沙羅の大好物なので、常備しているのだ。
…そういえば、この前の撮影で梨沙ちゃんが作ってくれたアボカドとブルーチーズのスープ(第15話https://cookingclass.or.jp/articles/mina-recipenovel-15.php)、美味しかったなあ。
ブルーチーズもあるし、あのスープをソース風にして、
冷製パスタにしても、うまそうだな…
あの日の梨沙の賄いは、予想外だっただけに、嬉しかった。
人が自分のために作ってくれたものを食べること自体久しぶりで新鮮だったし
あっという間に撮影の残り物をセンス良くアレンジして出してくれ、
それがまた、期待以上の美味しさだったのだ。
が、そういえばあれ以来、なんとなく梨沙がよそよそしい気がする。
美味しい賄いを作ってもらってつい気が緩み
話の流れで、バツイチであると話したのだが、
シングルアピールのようにとられて、引かれたのだろうか…。
万事手際よく、気持ちもサバサバしている梨沙は仕事相手として非常にやりやすい相手だが、良平から見たら若い未婚女子(年齢は知らないが、自分より10才くらいは若く、28才の沙羅と同じくらいと思っている)なので、
不注意な発言はハラスメントになりかねないと、
一応ちょいちょい気を付けてはいるつもりだ。
しかし、女子の地雷はどこにあるかわからないからなあ…
まさか梨沙が自分に好意を寄せていたとはつゆ知らない良平は
やや面倒な気持ちになって、
軽いため息をつきながら、冷蔵庫をかきわける。
お、生ハムもあるじゃん。
これは、ワインがすすむパスタになるな!
沙羅が「美味しそうだったから」とお土産に買ってきたアメリカンチェリーは、 サラダに使わせてもらうかな。
パスタの湯をわかしながら、アメリカンチェリーの軸と種を取る。
ボウルにいれて、カッテージチーズとベビーリーフと胡桃、塩胡椒にホワイトバルサミコ酢、
フルーティーなEVオリーブオイルで和えれば、
アメリカンチェリーのサラダの完成だ。
次は、パスタの準備だ。
アボカドは角切りに切ってレモン汁で和える。
半分はソースに、半分は具にしよう。
ソース用に潰したアボカドに、ブルーチーズ、おろしにんにくと・・・
生クリームはないから、牛乳でのばすか。
この季節には、軽くて逆にいいだろう。
あの時の梨沙のアボカドスープにはピンクペッパーがふられていて可愛かったが、
さすがに我が家にピンクペッパーはない。
代わりにプチトマトをのせれば、クリーミーなアボカドソースもさっぱりするし、
色のバランスも調うし、一石二鳥だな。
パスタは冷製なので長めに茹でて氷水で〆、しっかり水気をきる。
あとは、アボカドソースと和えて、トッピングをのせればよし。
火を入れないで作れるソースなので、手軽でいいな。
ご機嫌でワインを開けながら
「おーい、できたよ!」
と声をかけると、沙羅がいそいそとやってくる。
「キャ~。何、この女子度高いランチは!」
と、目を丸くして、早速写真を撮ろうと駆け寄る。
「わーい!彼氏が作ってくれたって、インスタのせよ~」
それを聞いた良平は、ついプロ意識がでて、沙羅のスマホを取り上げる。
「写真撮るなら、こっちの窓際がいいよ。
自然光を利用して、斜めからこう撮ると…
ほら!いい感じだろ」
「なるほど、こういう角度から撮るといいのね。
さすがフォトグラファー、iPhoneで撮ったとは思えないクオリティ!
私も真似してみようっと。」
はしゃぎながら撮影を終えると、軽めのシチリアワインで乾杯して、
2人の遅めのランチタイムがスタートした。
「う~ん、美味しい!アボカドとブルーチーズって合うんだね!」
「そうなんだよ。この前の撮影でフードコーディネーターの子がこの組み合わせで冷たいスープ作ってくれたんだけど、それがうまかったから、真似してみたんだ。
この組み合わせなら、絶対ワイン飲みながら食いたいと思ってね。」
「ふーん。フードコーディネーターの子って、何歳くらい?」
「聞いたことないけど、沙羅と同じくらいか、もう少し上かなあ」
沙羅が口をとがらせて、
「やっぱり料理できる女の子の方が、好き?」
「いや、正直料理は、どっちでもいいよ。
美味しそうに食べてくれる女の子がいいな。沙羅みたいに」
「ふふ。うまいんだから!」
満更でもなさそうに笑うと
「私はね。料理できる男の人が好き!あと、写真のうまい人。」
と、良平に向っていたずらっぽく微笑みかける沙羅に
「知ってるよ」
と、笑いながら答え、
そろそろまた、誰かと暮らすのも、悪くないかもな…と
ふと思う、良平なのだった。
●アボカドとブルーチーズの冷たいパスタ
《材料・2人分》
細めのパスタ160g、アボカド大1個、レモン汁大さじ1,A{ブルーチーズ80g、牛乳80cc、おろしにんにく少々}、生ハム50g、プチトマト3個、EVオリーブオイル大さじ1、粗挽き胡椒適宜
《作り方》
① パスタは表示より少し長めに茹で、氷水で〆てよく水を切る。
② アボカドは角切りにして、レモン汁で和える。半分は飾り用にとっておき、半分はつぶしてAと和えてソースにする。
③ ①のパスタを②のソースにからめ、器に盛る。
④ 残しておいたアボカドと生ハム、4つ割りにしたプチトマトを飾る。
⑤ 粗挽き胡椒をふって、オリーブオイルを回しかける。
●アメリカンチェリーとカッテージチーズのサラダ
《材料・2人分》
アメリカンチェリー20個、ベビーリーフ20g、カッテージチーズ(粒あり)100g、E.V.オリーブオイル大さじ1、胡桃(粗みじん切り)大さじ1、ホワイトバルサミコ酢(レモン汁)小さじ1、塩胡椒適宜
《作り方》
① アメリカンチェリーは軸と種を取る。
② ボウルに①を入れ、すべての材料を加えて和える。
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