(美奈先生のレシピ小説)第34話 さくらんぼ祭り～キュンする♡さくらんぼのブルスケッタ
(美奈先生のレシピ小説)
美奈先生のレシピ小説34話
まどかさん、ご結婚おめでとうございます٩(ˊᗜˋ*)و
料理レベル高ずぎる会話に、読んでるだけで料理上手になれそう・・
さくらんぼのブルスケッタはレシピ付き。
新居もようやく片付いてきたから、うちに遊びに来ない？
来週末にさくらんぼパーティーしたいなって思って。
美菜ちゃん、さくらんぼ好きでしょ？」
「きゃ～嬉しいです！
さくらんぼ大好きなこと、覚えてくださっててありがとうございます。」
「美菜ちゃんのイメージにぴったりだもの。
耕太君と一緒に、是非いらしてね！」
まどかは、嬉しそうな美菜子に満足げに微笑みかえす。
先月無事に祐輔との結婚式をすませ、美菜子と耕太から洒落たキッチングッズのセットをプレゼントされたのだが、その中のオリーブの種抜きが、さくらんぼの種抜きにも使えることに気が付いた。
ちょうど山形にいる祐輔の叔父から美味しいさくらんぼが送られてくる案内があり、美菜子の好きなさくらんぼを、お祝いのお礼にたくさんごちそうしたい、と思いついたのだ。
「ところで、さくらんぼって料理になるの？」
と聞く祐輔にまどかは、
「もちろんよ。ハンガリーの郷土料理のさくらんぼスープは有名だし、甘酸っぱい調味料と思えば、いろんな料理に使えるわよ。
イタリアンでもこの時期は、さくらんぼの冷たいカッペリーニ出すお店もあるしね。」
「そういえばそうだな！
さくらんぼのカッペリーニ、オシャレだな。それ作ってみようかな。
生ハム入れてもいいよね？」
「いいじゃない！パスタと言えば、祐輔だものね。お任せするわ。
私はメインのお肉に使おうかな。
リコッタチーズや雲丹と合わせたアミューズもいいな。
ジャムやカクテルも作ろうっと。」
「あとは何がさくらんぼで作れるかなあ。
あ、ブルスケッタとか、どうかな？」
「いいわね。美菜ちゃんの好きなマスカルポーネと合わせても美味しそう。」
「よし！それも俺担当。…って、簡単なものばかりだけどな。笑」
「ふふ。じゃあついでにさくらんぼのサラダも作ってみる？
私はデザートに、フォレ・ノワール作ろうと思って。」
「フォレノワールって聞いたことあるな。どんなケーキだっけ？」
「黒い森っていう名前の通りチョコレートとダークチェリーのケーキなんだけど、さくらんぼをブランデーでコンポートして作っても美味しそうだな、と思って。」
「あ～あれか、うまいよな！」
当日。
まずはベビーリーフと合わせてサラダを作った祐輔は、ブルスケッタにとりかかる。
マスカルポーネにブルーチーズと蜂蜜、美菜子が好きなくるみもたっぷり入れて
ざっくりと混ぜる。
ブルーチーズを入れることでさくらんぼの甘さを引き締めて、
ワインにも合う風味になるのではないかと思ったのだ。
バゲットにこんもりのせて、さくらんぼとミントを飾って仕上げようとしていた祐輔に、まどかが待ったをかける。
「さくらんぼはそのままより、種をとって半割にしてからぽこぽこ乗せた方が
食べやすいし、可愛くない？
せっかく種取り器があることだし。
あと、ミントもいいけど、このハーブ使うともっと可愛くなるかもよ。」
と、まどかがハーブを差し出した。
「おっと、これなに？」
「クレイジーピー。エンドウ豆のマイクロハーブよ。」
「すげー！さくらんぼとハーブを変えただけで、一気に可愛いがアップした！
このハーブ、くるんってなってて、オシャレだな。」
「美菜ちゃんが喜びそうだと思って買ってみたの」
自慢げに言うまどかに
「そしたらこのミントはカッペリーニに使うか！」
「あら。カッペリーニ、もう準備してるのね。さすが！」
「へへ。パスタは気合入ってるからね。
ミニモッツアレラとバジルとプチトマトに、種をとったさくらんぼを用意してあるから、あとはパスタ茹でて冷やして、オイルと塩胡椒で和えるだけだよ。」
「祐輔のパスタ、久しぶりで楽しみだわ」
朝イチでフォレ・ノワールを作り終えていたまどかは、アミューズスプーンにリコッタチーズを盛り、フルーティーなオリーブオイルと黒胡椒、ディルでマリネした雲丹と、ロゼバルサミコ酢で和えたさくらんぼをのせる。
仕上げにもディルを飾ると、見た目も涼やかになった。
「へえ、ディルか。爽やかだね！」
「雲丹の臭みがとれて、さくらんぼと馴染むのよ。」
スパイスと赤ワインでマリネした骨付き仔羊肉は
室温に戻してから、フライパンで表面だけ焼いて取り出す。
フライパンをさっと拭いて、赤ワインとバルサミコソース、
あらかじめ作っておいたさくらんぼのコンフィチュールを足してソースを作る。
あとは、直前にオーブンで火を入れて、さくらんぼのピクルスを添え、
セルフィーユで彩れば、メインも完成だ。
「これはジャム？すごい綺麗な色だね！」」
「ロゼワインと蜂蜜で煮た、さくらんぼのコンフィチュールよ。
ビーツもちょっと足して、色を鮮やかにしてみたの。
バゲットにも添えて出そうと思って」
「すげえなー。ほんとにさくらんぼ祭りだ！
美菜子さん、喜ぶだろうね！」
「喜んでくれるといいな♪」
…ピンポーン。
ちょうど玄関のチャイムが鳴った。
「いらっしゃい！」
「わ～なんて素敵なの！」「おお、すごいぞ！！」
テーブルの上に並ぶさくらんぼ料理たちに歓声を上げる美菜子と耕太に
「まま、座って。さくらんぼカクテルで乾杯しよう！」
と祐輔がにこにこしながら促す。
目の前のブルスケッタを見て美奈子が
「このさくらんぼのブルスケッタ、きゅんきゅんしちゃう♡…さすがまどか先輩！」
と、感嘆したようにつぶやく。
「ところがそれは、祐輔作なのよ。」
笑いながら答えるまどかに、
「え？」
美菜子と耕太が同時に声を上げる。
「祐輔君、めちゃめちゃ女子力高いじゃん！」
と驚いた顔の耕太に、祐輔は満更でもなさそげに
「俺これからは、かわいい担当でいこうかなあ」
と答えてから、笑いながら
「いやでも、可愛いのキモのこのハーブやさくらんぼの飾りは、まどか師匠の発案だからね。」
「二人の合作かー。なんか、いいな！
俺も美菜子と合作できるように、料理勉強しなきゃなあ。」
「耕太さん、それ出会ったときから言ってますよ！」
頭をかく耕太とみんなの笑い声の中、
さくらんぼがキラキラと幸せそうに輝いている。
初夏の風が気持ち良い、爽やかな日曜日だった。
●さくらんぼとクレイジーピーのブルスケッタ
【材料・4人分】
さくらんぼ12個、Ａ｛マスカルポーネチーズ大さじ4、ブルーチーズ20ｇ（粗みじん切り）、胡桃30ｇ（粗みじん切り）、蜂蜜小さじ1/2、｝、バゲット8切れ、クレイジーピー（なければミントやセルフィーユ）適宜
【作り方】
① さくらんぼは種をとって半割にする。
② バゲットにＡをたっぷりのせて、さくらんぼ3個とクレイジーピーを飾る。
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