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    (美奈先生のレシピ小説)第4話 メインディッシュはパスタの後に…

    (美奈先生のレシピ小説)

    美奈先生のレシピ小説第4話!!!読むだけでお料理上手な気分になれるかも〜♬

    (美奈先生のレシピ小説)第4話 メインディッシュはパスタの後に…

    第4話 メインディッシュはパスタの後に…


    やべー!遅刻!!もう昼なんてうそだろ~?!
    飛び起きてから、はっとする。

    なんだよ、今日土曜じゃん…

    悔しいからもうひと眠りしようと思ったが、ぐ~っと情けない音をたてたお腹に苦笑し、
    やはりこのまま起きる事にする。
    27歳男子の健康な胃袋は、正直なのだ。

    隣の部屋でくしゃみをしたような音が、微かにした。
    まどかさん、何してるのかな…

    祐輔は、隣のOLらしきまどかにほのかな憧れを抱いている。
    何しろ美人だ。美人なのに、お高くとまってなく、思ったことがすぐ顔に出るところが可愛い。年は自分より少し上のようだが、年上と思えない無邪気さがあり、ついからかいたくなる。

    一度だけ、うまいこといって家にあがらせてもらい、まどかが自分用に作ったカレーリゾットをわけてもらったことがある。

    内心はちょっと、いやかなりドキドキしていたが、そんな気配を少しでもみせたら絶対部屋には入れてもらえない気がしたし、経験の少ない年下男と侮られたくなかったから、あえて堂々と落ち着いているように振舞っていた。

    が、実はそれほど恋愛経験豊富ではない体育会系なので、実際に女性1人の部屋に入ると緊張して、自分の持って行ったワインを続けざまに2杯飲んでしまった。

    祐輔はワイン好きにも関わらず、かなりお酒に弱く、適量はグラス1杯だ。それ以上飲むと、ひたすら眠くなる。
    例にもれず、この日も憧れのまどかの前で、たった2杯で寝落ちする、という醜態をさらしてしまった。

    ふと目を覚ますと夜中で、ソファーにもたれ眠そうな顔でスマホをいじっていたまどかが顔をあげ、 「やっと起きた…」
    とあきれたように笑い、そうそうに部屋を追い出されたのだった。

    祐輔はそれ以後、とりあえず「カッコ悪い年下男」のイメージを覆したい、と虎視眈々とタイミングを狙っているのだが、なかなかチャンスが訪れない。

    そうだ!この前のお詫びってことで、俺が手料理をごちそうするってのは、どうだろう。
    料理男子はモテるっていうからな…。

    まずは、肝心のまどかの予定を聞いておかねば、と思い立ち、早速隣の部屋のチャイムを鳴らす。

    ―そういや、連絡先すら、知らないもんなぁ。

    「ピンポーン」
    「はーい!」
    「えーと。隣の祐輔です。」
    「あら、どうしたの?!」

    部屋着と思しきラフな格好をしたまどかが、ドアの隙間から戸惑ったような顔をのぞかせる。

    すっぴん、可愛えええっ
    という心の声を押し殺し、

    「あ、あの~今日って、何してますか?」
    「何って別に…。これからネイルとマッサージに行こうかなってくらいだけど」
    「あ、じゃあ夜は予定なし?
    この前は、ごちそうになった挙句、ずうずうしく寝ちゃってすんません!
    よかったら、今日そのお詫びに、俺の手料理ご馳走したいんですけど…」
    「え、あなたお料理できるの?!」

    驚いたようなまどかに、

    「まどかさんほどじゃないけど一応…たいしたことない雑な男ご飯ですが…」

    だんだん声が小さくなっていく祐輔にくすっと笑って

    「わかった!ありがと。せっかくだからご馳走になるわ。でも、今日はお酒飲んじゃだめよ!」
    「あ、1杯ならワインでも全然大丈夫なんすよ…。ちなみにビールなら2杯半はいけますよ!」

    むきになる祐輔に笑いながら、

    「じゃあ、私は出かけて夕方には戻るから、準備できたら呼んでね」
    「あ、一応連絡先とか聞いてもいいですか?隣だからアレなんだけど、なんかあった時に…」
    「うん、そうよね」

    なんの抵抗もなくスマホをポケットから出したまどかに、祐輔は内心ガッツポーズ。
    よし。ようやく連絡先ゲット!
    まどかも心なしか嬉しそうにみえたのは、気のせいだろうか…。

    そうと決まれば、買い物だ!メニューはなににしよう。
    料理は確かに好きだが、1人の時は、カレーかパスタか丼がほとんどだ。
    一番オシャレなのはパスタだよな?
    作ったことないけど、この際手打ちのパスタとか挑戦してみるか?
    乾麺のパスタよりのびないだろうから、ゆっくり話しながら食べられるのではないだろうか。

    早速スマホでレシピ動画をチェックしてみる。
    ふーん、粉と水とオリーブオイルを練るだけなのか。
    長い麺はパスタマシーンないと大変そうだけど、ショートパスタなら、意外と簡単にできそうだ。
    特にこの耳たぶの形のオレキエッテ。
    まどかさんって耳の形もいいんだよなぁ・・・おっと、そこじゃないだろ!
    雑念を慌ててふり払い、メニューを考え始める。

    ソースは、トマトかクリームかオイルか。
    まどかはトマトが好きそうな気がするが、俺はクリームが好き!
    間をとって、トマトクリーム味にしよう。


    …買い物をして帰ってきた祐輔は早速、ソース作りにとりかかる。
    パスタは先に作ってしまうと乾いてきそうだが、ソースは冷めても温めればよい。

    具は、自分も好きでパスタに良く使う、海老ときのこだ。
    慣れてる具材のほうが勝手がわかるし、昔雑誌で見た「女子の好きな食材ランキング」には、どちらも上位に入っていた記憶がある。
    自分用なら冷凍の小さい海老にするが、今日は奮発して殻付きの大海老にした。

    まどかさんワイン好きみたいだし、ワインに合うように冷蔵庫に眠っているウォッシュチーズでも入れてみるか。

    まどかには、今日は飲んじゃダメ、と言われていたが、もちろんワインも用意している。
    今回は比較的低アルコールのナチュールだから、前回のような失態はないだろう…多分。
    自分が飲みたい、というより、まどかに酔ってもらいたいという下心だ。
    祐輔が飲まなきゃまどかも飲みにくいに違いない。

    最初にオリーブオイルで炒めるのは、にんにく。これは市販の瓶入りの刻みにんにくだ。
    料理のたびににんにくを刻むマメさはないし、中華でもイタリアンでも、最初に油に香りを移しておくとそれらしくなるので、非常に重宝している。

    香りがでたら、粗みじんの玉ねぎ(みじん切りにしたつもりだが、結果的に粗みじんになった)にきのこをフライパンに放り込み、塩胡椒して炒めてから、ホールトマトを入れてしっかり煮詰める。
    少し時間はかかるが、煮詰まるまで煮込むことで味が凝縮されるだけでなく、トマトの酸味が飛んで、ぐっと甘く美味しくなる。

    海老は火を通しすぎると身が縮み固くなるので、入れるのは煮詰めてからだ。
    臭みとりと風味増しに、いつもは白ワインをふるところだが、ここもまた今回は特別にブランデーをふる。
    遊びに来た友達が置いて行ったブランデーだが、けっこういいものだ。
    酒の弱い祐輔が飲むことはないので、ここぞという料理の時にちびちび消費している。
    ブランデーは海老と相性いいし、少量でたちまちコクが増して、お店の味に近づく。

    後は生クリームとちぎったチーズを入れれば完成だ。

    一口食べて、お!何これ、うまくね?俺って才能あるかも!
    ソースの出来に1人満足しながら、続いていよいよ手打ちパスタにとりかかる。

    …まあ、失敗したら家にある普通の乾麺からめれば、いいよな。

    ボウルに材料を入れてこねてから15分程休ませる。
    打ち粉をしたまな板の上で棒状に伸ばして、1センチ幅にカット。
    ザルの上に粉をふった切り口をのせ、親指で押して形作る…

    何しろ初めてなので、どうなることかとドキドキしながらの作業だったが、意外と上手にできた気がする。

    えーと。これを沸騰した湯に入れて、浮いてきて1、2分たてばOK?
    なんだ、すぐできちゃうじゃん!
    ショートパスタって意外と手軽にできるんだな。
    でも、そういえば、わざわざ呼んでおいてパスタだけってのもなんだよなぁ…

    しかし人生初の手打ちパスタで頭がいっぱいで、副菜まで頭が回らなかったから何も用意していない。

    試しに冷凍庫をのぞくと、焼き鳥がある。
    なんだこれ?そういや、先週会社の同僚と焼き鳥屋行ったとき、オーダーしすぎて残ったのを、店のおっちゃんがパックに詰めてくれたんだっけ。
    ビール2杯飲んで半分眠りながら帰ってきたから、無意識に冷凍庫に入れたんだな、きっと。

    パスタが魚介だから、これでチキンサラダとかどうだろう。
    解凍したたれ付きのやきとりに、レタスとマヨネーズ。うん、うまそうだ!
    レタスなら下のコンビニで買えるしな。
    たれが甘いから、ちょっとピリ辛にしたい。
    マスタードなんてシャレたもんはないけど、コンビニおでん買ったときについてくる練辛子なら、山ほどあるからそれにしよう。
    七味だといかにも焼き鳥ってチープ感出そうだからな。

    サラダにパスタときたら、あとは…スープか。
    トマト味もクリーム味もかぶるからなー。
    ここは意表をついて中華味とか?
    なんかないかな。お!これは冬の間中お世話になった鍋の素!
    1個のキューブが1人分だから使いやすいんだよなぁ。
    これを湯に溶かして春雨とネギでもいれれば、立派なスープになる。

    そこに、斜め薄切りにした長ネギと春雨を放り込む。
    あとは、溶き卵でも浮かべて仕上げにごま油をふれば、お店っぽい感じになるのではないか?


    焼き鳥サラダに、中華スープに、トマトクリームのパスタ・・・
    コース料理の組み合わせとしてはどうかと思うが、味には自信がある。

    早速まどかに電話する。
    もう直接訪ねなくても連絡が取れるんだ、と思うと、それだけでかなり前進した気がして、感動を覚える。

    「はい、まどかです。あ、祐輔君?」
    「ういーす!準備できました!いつ来ても大丈夫ですよ!」
    「はーい!すぐ行くね。何か足りないものとかない?」

    ふと、パスタの仕上げにふるパセリを買い忘れていたことを思い出して、

    「あ、まどかさんとこのベランダの草、飾りに使わせてもらおうかな!」
    「草って…ハーブね。わかった、適当に持って行くね。あと、ケーキ買ったんだけど、祐輔君甘いものは大丈夫?」
    「やった!ケーキ大好きです!!」

    クスクス笑ったまどかは、10分後にはチャイムを鳴らしていた。

    「お招きありがとうございます」

    というおどけた顔が、少し照れているようにも見える。

    そういえば、女子を部屋に入れるのなんて、久々だよなぁ…
    気付いた祐輔も急に緊張して

    「えーと、小汚いところですが、どうぞ!」

    と、しまいこんでた客用のスリッパをはたきながら出す。

    「はい、デザートのケーキと、うちのハーブ。
    わからないから無難にセルフィーユとミントにしたわ」

    「お気遣いあざーす!まぁとりあえず座って。まずは乾杯しましょ!」

    「あ、ダメじゃない。ワインなんて…」

    軽く眉をひそめるまどかに、力強く

    「今日は断じて1杯しか飲みませんから、大丈夫です!
    ささ、ようこそ我が家へってことで、かんぱ~い!」

    カチンと景気良く音を立てて乾杯した後は、急いでキッチンに戻り、焼き鳥サラダと、温めたスープを運ぶ。

    「このチキン、柔らかいわね!ドレッシングもまろやかで美味しいわ~。
    スープもごま油がいい香り…」

    「へへ。これからがメインディッシュですよ!女子度高いから驚かないでくださいね!」

    セルフィーユを飾ったパスタの皿が運ばれてきたのを見て、まどかは歓声をあげる。

    「まあ、すごい!手作りのオレキエッテじゃない。しかも大きな海老!テンションあがっちゃう。 この流れだと、メインはチャーハンあたりかと思わせておいて、こんなオシャレな隠し玉でサプライズなんて、憎い演出じゃないの!」

    「いや~。これは実は、初挑戦なんですけどね。」

    赤くなって正直に告白する祐輔に、

    「美味しい!これ、ウオッシュチーズが入ってるの?ところどころ塩気とコクのアクセントになってていいわね。ワインもすすんじゃう!」

    やった~!挑戦した甲斐があったぞ!
    と、内心小躍りしつつ

    「どんどん飲んで下さいねー!俺は今日はホント1杯にしておくので、ご心配なく!」

    「うふ。今日は祐輔君が寝ちゃっても置いて帰るだけだから、2杯飲んでもいいわよ。」

    ほんのり桜色に染まった頬のまどかが、楽しそうに笑う。
    ああ、やっぱり可愛いな~まどかさん…。

    「まどかさん。俺…」

    「え?もう酔ったの?!今日はまだ1杯目よ。」

    びっくりしているまどかに、

    「違いますって!俺、まどかさんに真面目に話したいことがあるんです。」

    まどかの綺麗な瞳に見つめられても臆すことなく見つめ返せるのは、ワイングラス半量で祐輔的にはちょうどいい感じに酔いが回っているのだろう。

    よし、今日こそ決めるぞ!ここからが今晩の本当のメインディッシュだ。
    そのあと、ケーキを2人で美味しく食べられるかどうかは、メイン次第…

    真顔になった祐輔に、まどかも思わず姿勢を正し、鼓動がだんだんと大きくなっていくのを感じながら、祐輔の言葉を待つのだった。



    《第四話のレシピ》
    自家製オレキエッテ 海老ときのこのトマトクリームソース

    《材料・2~3人分》
    玉ねぎ1/4個(50g)、ぶなしめじ・マッシュルーム各1/2パック、刻みにんにく小さじ1/2、殻付き海老200g、オレキエッテ{強力粉150g、水(ぬるま湯)100cc位、オリーブ油大さじ1、塩少々}、ホールトマト1/2缶、ブランデー(ワインでもよい)大さじ1、塩・粗挽き黒胡椒少々、オリーブオイル大さじ1、生クリーム50cc、ウォッシュチーズ60g、セルフィーユ適宜

    《作り方》
    ① 玉ねぎときのこ類は粗みじんに切る。海老は殻をむいて背ワタをとる。
    ② ボウルにオレキエッテの材料を入れ、5~10分くらいこね、ラップにくるんで15分程休ませる。
    ③ 打ち粉をしたまな板の上で4等分して、それぞれ直径1.5センチの棒状に伸ばし、1センチ幅にカットする。切り口に粉をまぶしてザルの上から親指で押して形作る。
    ④ オリーブオイルと刻みにんにくをフライパンを温め、香りが出たら玉ねぎときのこ類を加え、塩胡椒してさっと炒める。
    ⑤ ホールトマトをつぶしながら入れて10分程煮て、煮詰まってきたら海老を入れてブランデーをふる。海老に火が通ったら生クリームを入れてあたため、ちぎったウォッシュチーズを入れて火を切る。
    ⑥ 沸騰した湯に②のオレキエッテを入れ、浮きあがってきて1,2分たったら④のフライパンに加えて手早く和える.。
    ⑦ 器に持って、セルフィーユを飾る。



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